AndroidのスマートフォンにはGoogle Play プロテクトというセキュリティソフトが標準で入っています。
そして、
「Google Play プロテクトが入っていれば、別途トレンドマイクロやマカフィー等のセキュリティソフトを入れる必要は無い?」
とも言われていますが、私はそうは思いません。
Google Play プロテクトでは無く他のセキュリティソフトを入れるべき!
と私は考えます。
なぜなら第三者機関のテストでは、Google Play プロテクトは他の一般的なセキュリティソフトよりマルウェアの「検出率」が低く、「誤検知」が多いと報告されているからです。
「AV-Comparatives」と「AV-TEST」という第三者機関のテスト結果から、Google Play プロテクトとその他の一般的なセキュリティソフトとではどれくらい検出率や誤検知率が異なるか?を見ていきましょう。
AndroidはGoogle Play プロテクトだけで充分?第三者機関のテスト結果から考察
AV-Comparativesのテスト結果
まず、オーストリアの第三者機関AV-Comparativesの「Mobile Security Review 2023」の結果を見ていきましょう。
このテストで比較されているセキュリティソフトは以下の9製品。
TrendMicro(トレンドマイクロ)やMcAfee(マカフィー)は聞いたことがある方も多いでしょう。
Kaspersky(カスペルスキー)やAvast(アバスト)なんかも知っている方がいらっしゃるかもしれませんね。
Google Play プロテクト(グーグル プレイ プロテクト)は上記図中の右上に記載があります。
そして、気になる結果は以下の通り。
グレーの縦棒が検知率、オレンジの線が誤検知数です。
検知率はマルウェアをマルウェアと検知できた割合。
誤検知数はマルウェアでは無いものをマルウェアとして検知してしまった数。
そのため、グレーの棒(検知率)は100%に近いほうが良い結果、オレンジの線(誤検知数)は0に近いほうが良い結果と言えます。
検知率を見ると、ほとんどのセキュリティソフトは100%に近いですが、一番右のGoogle Play Protectは98.9%でした。
2021年の結果では80%台だったためかなり高くなりましたが、9製品中7製品は100%です。
そのため、98%台は高いとはいえません。
また、誤検知数もほとんどのセキュリティソフトは0に近いですが、Google Play Protectは12。
こちらもGoogle Play プロテクトはダントツで誤検知数が多いです。
その結果、以下の通りGoogleのみが“Approved Mobile Product” awardでNOT APPROVEDでした。
“Approved Mobile Product” awardの基準は、検知率が99%以上、誤検知数が10以下、バッテリー消費が8%以下とのこと。
Googleはバッテリー消費の基準はクリアしていましたが、検知率と誤検知数で基準を下回ったためNOT APPROVEDとなったわけですね。
AV-Comparativesの結果から、
「Android端末に標準で入っているGoogle Play Protectより、その他のセキュリティソフトを使用しているスマホの方がより安全である」
と言えるかと思います。
AV-TESTのテスト結果
次にドイツの第三者機関AV-TESTの「The best antivirus software for Android」を見ていきましょう。
2023年7月の調査では18社のセキュリティソフトがテストされています。
結果は以下の通り。(Protectionでソートしています)
Protectionは最高評価は6。ほとんどが満点の6ですね。
一方、Google Play プロテクトは「Protection:4」。
2022年の結果では2だったので以前よりはかなり上がりましたが、それでもまだ他社製品には及びませんね。
そして、各ソフト名のリンクをクリックすると検出率等より詳細な結果を見ることができるのですが、例えば検出率を見ると、トレンドマイクロ・ノートン・カスペルスキーは100%、マカフィーは99.7%。
一方、Google Play プロテクトは97.0%でした。
2022年の結果では80%だったためかなり高くはなりましたが、それでもまだ他社とは開きがありますね。
AV-Comparativesと同様にAV-TESTの結果でも、
「Android端末に標準で入っているGoogle Play Protectより、その他のセキュリティソフトを使用しているスマホの方がより安全である」
と言えると思います。
マルウェアに感染するとどうなるの?
そもそも「マルウェアって何?」「感染するとどうなるの?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
マルウェアとは、コンピュータウイルス(コンピュータの中身を書き換える)・スパイウェア(コンピュータの中身の情報を外部に送信する)・ランサムウェア(コンピュータの中身を暗号化して読めなくする)等を総称したものです。
マルウェアはアプリのインストール・インターネット閲覧・メール受信・外部ディスク(USB)等から感染します。
「パソコンやスマホは持っているけど大したことしていないし、セキュリティソフトなんて要らないのでは…」
と思っていませんか??
その考えはNG!!
インターネットに1秒でも接続するなら、外部ディスク(USB等)を接続するなら、そのパソコンやスマホはマルウェアに感染するリスクがあります。
しかもマルウェアに感染すると、あなただけではなく、あなたの周りの方々にも被害を与えてしまう可能性があります。
マルウェアに感染すると以下のようなことが起こる可能性があります。
- あなたのパソコンやスマホの中の情報が変更される(使えなくなることも)
- あなたのパソコンやスマホの中の情報が暗号化され、暗号を解除するための身代金を要求される
- あなたのクレジットカード情報が盗み取られて不正使用される
- あなたの電話帳から家族や友人の情報を抜き取られて不正使用される
- あなたのメールアドレスを使って家族や友人へウィルスが仕込まれたサイトへ誘導するメールが送信される。(あたかもあなたが送信したかのように)
そして上記から分かる通り、
「あなたのスマホが危険にさらされている」
=「あなたの周りの方の情報も危険にさらされている」
ということにもなります。
メールとか使っていないし…という方も、電話はしますよね?LINEはしますよね?履歴も残っていますよね?
スマホはインターネットに接続して使うものです。
安全なスマホなどありませんよ!
でも、先ほどお伝えした通り、セキュリティソフトを導入していればほぼ100%検知してあなたのパソコンやスマホを守ってくれます。
現在セキュリティソフトを入れていないという方はすぐに入れましょう!
セキュリティソフトを入れる方法
以下の2つの方法があります。
- 携帯電話会社のセキュリティオプションに加入する
- ご自身でセキュリティソフトを購入する
携帯電話会社のセキュリティオプションに加入する
大手キャリアでも格安SIMでも、ほとんどの携帯電話会社でセキュリティオプションが用意されています。
月数百円で導入できるため、今オプションに加入していない方はぜひ加入をオススメします。
ほとんどの会社が、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンのいずれかかと思いますが、どれも検出率は高いのでどれを使用しても問題ないかと思います。
また、1契約で複数台(パソコンやタブレット含む)に使えるものもありました。
ただし、オプションに加入するだけではセキュリティソフトを入れたことにはなりません。
各社インストールや設定の手順が用意されていますので、そちらに従ってセキュリティソフトを導入しましょう。
ご自身でセキュリティソフトを購入する
携帯電話会社のセキュリティオプションではなく、ご自身でセキュリティソフトを購入してインストールしてもOK。
トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンあたりは各携帯電話会社のオプションとしても取り扱われていますがご自身でも購入可。
ただしご自身で購入してインストールする場合、その携帯電話会社に問い合わせすることはできないでしょう。
購入したセキュリティソフトの会社に問い合わせすることになるためご注意ください。(とはいえ問い合わせすることはほぼ無いと思いますけどね!)
ご自身で購入する場合、3年間有効&パソコンやスマホ等3台使えるもので1〜1.5万円前後。
1台あたり月額に換算すると、
15,000円÷36ヶ月÷3台=約139円
携帯電話会社のオプションで入るよりかなりお安いですね。
トレンドマイクロのウイルスバスター クラウドがWindows/Mac/Chromebook/Android/iOS/iPadOSとPCにもスマホにも対応していて3台までOK、コンシューマ向け製品 国内市場シェア 16年連続No.1※なので良いのではと思います↓
※出典:IDC Japan Semiannual Security Software 2022H2 Final Historical & Forecast コンシューマ エンドポイントセキュリティ製品 ソフトウェア市場ベンダー別売上額シェア (シェア算出全期間) 2007~2022年に基づく
ただしウイルスバスター クラウドの3年 3台版は13,000〜14,000円ほどなので、スマホ1台だけに入れるのであれば月額計算で約361円/月となりちょっとお高め。
スマホ1台だけであれば、トレンドマイクロ公式で購入できるウイルスバスター モバイルの方が2年5,800円ほど(約240円/月)とお手頃価格でおすすめです↓
ちなみに、ウイルスバスターモバイルはAndroid/iOS/iPadOSのみ対応ですが機能はウイルスバスタークラウドのモバイル端末向けと全く同じ。
以下の機能一覧ページで確認ができます↓
>> 機能一覧 - ウイルスバスター モバイル|トレンドマイクロ
>> 機能一覧 - ウイルスバスター クラウド|トレンドマイクロ
まとめ:AndroidはGoogle Play プロテクトだけで充分?
Androidのスマートフォンには標準でGoogle Play プロテクトというセキュリティソフトが入っています。
それが入っていれば十分とお考えになる方もいるようですが、私は他の一般的なセキュリティソフトを使用することをオススメします。
理由は、Google Play プロテクトの「検出率の低さ」「誤検知数の多さ」です。
各携帯電話会社ではセキュリティオプションが用意されているため、そういったオプションを利用するのが手軽でオススメ。
ほとんどの会社が、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンのセキュリティソフトをオプションとして採用しています。
どの会社も第三者機関のテストで100%近く検出することが多いため安心です。
また、ご自身でセキュリティソフトを購入してインストールしてもOK。
3年3台版10,000円前後で販売されています。(もっとお安いのももちろんあります!)
ご自身で購入する場合も、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンあたりを選んでおけば間違いありません。
というわけでAndroidスマホをお使いのみなさん。
「あなたのスマホが危険にさらされている」
=「あなたの周りの方の情報も危険にさらされている」
ということです。
今すぐセキュリティソフトを導入しましょう。